



冬期の避難所では暖房が効いていなかったり、入っていない場合もあり、寒さから自らの身を守ることが重要になります。そのために携帯カイロや寝袋は避難用品としては必須です。
携帯カイロには、衣服に貼るタイプと貼らないタイプがあり、サイズも大きめのものから靴下用などの小さいものまであります。多くの製品は、発熱温度が50~60度、持続時間は10~20時間です。
程よい暖かさでも肌に直接当てたままにしておくと、低温火傷の恐れがあります。低温火傷は普通の火傷より重症化することが多いので、必ず衣服の上から使用しましょう。貼るタイプのカイロは1時間に1回程度、肌の状態を確認し、異常がみられればすぐに剥がしましょう。
避難所で暖房が入っていない場合、夜間の室内温度が10度を下回ることも有り、そこでの就寝には毛布だけでは不十分で寝袋が必要となります。長方形の封筒型のものは布団で寝ている感覚で使用でき、千円~数千円と安価ですが、体への密着性がないので保温性が劣ります。頭まですっぽりと被れる人形型の羽毛製であれば、少し高価ですが軽くコンパクトで、寝袋と身体の隙間ができにくいため保温性は特に優れています。


火山噴火災害発生時に総合体育館等に避難すると、パーテーションを組立て、その中に畳を敷き、段ボールベッドを入れて滞在スペースとします。噴火の影響で停電になった場合、限られた場所でしか暖房が効きません。備蓄している毛布は支給されますが寒さから身を守るうえでは不十分です。避難者は身体を温める工夫をすると同時に、熱を逃がさない工夫をすることが大切です。
キャンプ用のウレタンマットなどを用意し、段ボールベッドの上に敷いて断熱します。また、ベッドに腰かけて座り、畳に足を置くときは、床からの寒さを防ぐために上履きを履いたりマットを敷いたりしましょう。
身体から空中に熱を逃がさないため、薄くて丈夫な素材で作られ、保温性に優れたレスキューシートなども防災用品として用意しておきます。銀色面を内側にして身体を包むと、アルミ素材が体温を反射することで保温でき、百均ショップでも購入できます。ただし、透湿性がないので長時間着用すると下に着ている服が汗で濡れてしまうので要注意です。
また上着の内側に新聞紙数枚を挟んでも、体温低下を防ぐことができます。
